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日経「拉致」誤報/虚報の背後にある藪

日経新聞が拉致被害者生存者リストなるものを2度にわたって報道し、それに菅官房長官と外務省が強烈抗議しているという現象ほど奇怪な状況はない。情報を知りえるのは北京で交渉した外務省と北朝鮮高官だけだが、北朝鮮側が自ら手の内の情報を安く売ることはないし、あの国でリークなどする関係者などがいれば、それこそ収容所送りだろう。だからこれは、日本政府の陽動作戦だ..と考えがちだが、もう少し可能性を探ってみる必要があろう。

一つはそのメディア媒体が日経新聞ということだ。仮に日朝間でうごめいている団体などが情報を得たとしても、それをわざわざ保守系・政府系の日経新聞に持ち込む馬鹿はいない。門前払いされたり、当局に通報されたりして、次には公的機関から「お話しを聞きたい」と電話がかかってくるだろう。日経新聞だって、今の政府に楯突くことだから、よっぽど信頼関係のあるルートからじゃないと、こんな無理は犯さないものだ。TPP問題で、オバマ離日後に事実と異なって「日米合意成立」と読売新聞だけが報じたが、それは大統領専用機同乗記者からじゃないかと噂された。それぐらいスクープには絶対的な権威が必要だ。日経新聞も拉致で飯を食っているわけじゃないから、与党に楯突くことはできない。おのずから情報入手の範囲は限られてくるだろう。

もう一つの問題は、この30人程度の生存者というのが、どことなく古臭い情報の匂いがすることだ。今、手の内にあるリストのコピーなら、なにも30人ぐらいとぼかす必要もなければ、逆に手の内の情報の市場価値を高めるために、決定的に価値のある情報をチラッとだしてみるはずだ。

それが無いということは、このリストはいま現在交渉中のプロセスから出てきたものとは言いがたいと思う。かつての日朝交渉の当事者の話も聞いてみたいものだ。最近記者が来なくって寂しがっているかも知れない。

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