閣議が開戦の御前会議
安倍政権と集団的自衛権問題の怪しげな部分は、閣議決定にえらい権威を与えようとしていることだ。無論、政府の重要決定が閣議によってなされることには異論がない。しかし、閣議って、憲法の条文ではどうなっていたっけ?と疑問を発してみる必要がある。
国の運命、国民の生命財産に直結する重要問題が、持ちまわりでつぎからつぎへと流れ作業で花押を押すあの「閣議」の場で決定されていいのか???
集団的自衛権問題は集団か否かではなく、国をどう守るかという国民的な議論がなければ意味がない。それが数百万の犠牲を出して悟った真実だ。それが、どんどん密室論議になっていって、「閣議」で決めることになってしまった。もう民主主義はまったく機能しないと言っても過言でない。
まあ、日本の現状は論外としても、世界中で民主主義の機能不全や衰退について多くの声があがりはじめた。ひさしぶりにポストデモクラシーなどの書籍を読むと、それらがのきなみ2007年出版なのにある意味、愕然とする。そうか、世界は911とブッシュ政治それにグローバリズムの影響をそれだけ真剣に捉えていたのだと思う。その中の記述の年号に、10年を足しながら、しみじみ読み入った。
【参考リンク】(amazonサイト)
シーダ・スコッチポル著、河田潤一訳
『失われた民主主義―メンバーシップからマネージメント』(2007)
コリン・クラウチ著、山口二郎監修、近藤隆文訳
『ポスト・デモクラシー―格差拡大の政策を生む政治構造』(2007)